「生成AIが便利だと聞くけれど、うちのような小さなお店で何に使えばいいのか分からない」「ChatGPTに登録してみたものの、結局使っていない」――奄美で事業を営む方から、こうしたお声をよく伺います。

生成AIは、何でもできる魔法の道具ではありません。しかし、毎日少しずつ時間を取られている「文章」と「整理」の仕事を任せるだけでも、手が空く時間は確実に増えます。この記事では、奄美市でAI研修・導入支援を行う株式会社Shizukuが、小さな事業者が最初に取り組むべき3つの業務と、無理なく始めるための進め方を解説します。

最初に任せたい3つの業務

小さな事業者が生成AIで最初にやるべき3つの業務。1. 発信する文章の下書き、2. お客様への返信、3. 情報の整理と要約

生成AIを使い始めるときは、「失敗しても困らない」「毎日・毎週発生する」「時間がかかっている」の3つに当てはまる業務から選ぶのがおすすめです。小さな事業者の場合、次の3つが当てはまることが多いでしょう。

1. 発信する文章の下書き

Instagramや公式LINEの投稿、店頭やホームページのお知らせ、商品やメニューの説明文など、お店からの発信には多くの文章が必要です。

生成AIに「何を」「誰に」「どんな雰囲気で」伝えたいかを伝えると、数秒で下書きを作ってくれます。白紙から考えるより、下書きを直すほうがずっと楽です。

  • 新商品やイベントのお知らせ
  • InstagramやLINEの投稿文(季節の話題、入荷情報など)
  • 商品説明や、ネットショップの紹介文

2. お客様への返信

予約や問い合わせへの返信、口コミへのお礼など、お客様への返信は丁寧さが求められる一方で、毎回ゼロから書くと時間がかかります。

よくある問い合わせへの返信文を生成AIで作り、ひな形として保存しておけば、次からは少し直すだけで送れます。島外や海外からのお客様には、英語など外国語での返信文を作ってもらうこともできます。

  • 予約確認や、日程変更へのご案内
  • よくある質問(駐車場、営業時間、送料など)への回答文
  • 外国語での返信(観光でいらっしゃる海外のお客様向け)

3. 情報の整理と要約

打ち合わせのメモ、日報、お客様アンケートなど、集めた情報を整理する作業も生成AIが得意とする分野です。

箇条書きのメモを渡して「要点を3つにまとめて」と頼んだり、アンケートの回答を貼り付けて「多かった意見を分類して」と頼んだりできます。作業の手順を話し言葉で伝えて、スタッフ向けのマニュアルの形に整えてもらうこともできます。

  • 打ち合わせや会議のメモの要約
  • アンケートや口コミの分類
  • 作業手順のマニュアル化

頼み方には「型」がある

生成AIへの頼み方の型。役割、目的、条件、出力の形の4つを伝える

生成AIからよい答えを引き出すには、頼み方が大切です。次の4つを意識して伝えると、思いどおりの文章が出てきやすくなります。

  • 役割:「あなたは奄美の雑貨店のスタッフです」のように、立場を伝える。
  • 目的:「新商品の入荷をお客様に知らせたい」のように、何のための文章かを伝える。
  • 条件:「150文字程度」「親しみやすい口調で」「絵文字は2つまで」など、守ってほしいことを伝える。
  • 出力の形:「3案出してください」「箇条書きで」など、欲しい形を伝える。

たとえば、Instagramの投稿文であれば、次のように頼みます。

あなたは奄美大島の雑貨店のスタッフです。島の素材を使った新しいマグカップの入荷を、Instagramでお知らせしたいです。150文字程度で、親しみやすい口調で、絵文字は2つまでにしてください。3案出してください。

一度うまくいった頼み方は、メモ帳などに保存しておきましょう。同じ型を使い回すことで、誰が使っても同じ品質の文章を作れるようになります。

無理なく始めるための3ステップ

生成AIを無理なく始めるための3ステップ。1. 一人で試す、2. ルールを決める、3. 職場で共有する

最初から職場全体で導入しようとすると、なかなか定着しません。次の3ステップで、小さく始めることをおすすめします。

  1. 一人で試す(1〜2週間):まずは経営者や担当者が、上の3つの業務のどれかで実際に使ってみます。無料版から始めても構いません。
  2. ルールを決める:使ってよい業務と、入力してはいけない情報(お客様の個人情報など)を決めます。
  3. 職場で共有する:うまくいった頼み方を共有し、スタッフも使えるようにします。

生成AIに任せること、人が確認すること

生成AIに任せてよいことと、人が必ず確認すること。任せてよいこと:下書き、言い換え、要約、分類。人が確認すること:事実や数字、お客様の個人情報、最終的な判断

生成AIは便利な一方で、もっともらしい誤りを書くことがあります。次の点は、必ず人が確認してから使いましょう。

  • 事実や数字:営業時間、価格、日付、地名などは、必ず正しい情報と照らし合わせて確認します。
  • お客様の個人情報:お名前や連絡先などは、生成AIに入力しないのが原則です。
  • 最終的な判断:お客様への回答や、お店としての方針を決めるのは人です。生成AIの答えは、あくまで判断材料の一つとして扱いましょう。

よくある質問

Q. パソコンが苦手でも使えますか?

A. はい、使えます。生成AIは、普段の言葉で話しかけるだけで使えます。スマートフォンのアプリからも利用できるため、メッセージアプリを使える方であれば、すぐに始められます。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 多くの生成AIサービスには無料版があり、まずは無料で試すことができます。使う頻度が増えてきたら、有料版を検討するとよいでしょう。料金はサービスや時期によって変わるため、各サービスの公式サイトでご確認ください。

Q. 入力した内容が外部に漏れることはありませんか?

A. サービスによっては、入力した内容がAIの学習に使われる場合があります。設定で学習への利用を止められるサービスもありますが、お客様の個人情報や社外秘の情報は、そもそも入力しないことを原則にしましょう。

Q. スタッフ向けに研修をお願いできますか?

A. はい、承ります。Shizukuでは、職場の業務に合わせた生成AIの研修や、使い方のルールづくりをお手伝いしています。AI研修・導入支援のページもあわせてご覧ください。

まとめ

  • 生成AIは、「失敗しても困らない」「毎日・毎週発生する」「時間がかかっている」業務から使い始めるのがおすすめです。
  • 小さな事業者が最初に任せたいのは、「発信する文章の下書き」「お客様への返信」「情報の整理と要約」の3つです。
  • 頼み方の型(役割・目的・条件・出力の形)を意識し、うまくいった頼み方は保存して使い回しましょう。
  • 事実や数字、個人情報、最終的な判断は、必ず人が確認します。

Shizukuでは、生成AIの使い方を学ぶ研修から、業務への導入、ホームページやLINE公式アカウントとの連携まで、ひとつの窓口でご相談いただけます。「何から始めればよいか分からない」という段階でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。